バイウイーク明けのドルフィンズがホームにロサンゼルスラムズを迎えて行われた一戦は、ドラフト1巡目指名QBトゥア・タゴバイロアのNFL初先発として注目されましたが、いざ試合が始まってみれば本当に注目されたのはドルフィンズのディフェンスでした。
ドルフィンズのディフェンスは凄まじく、力強く攻撃的でラムズから4つのターンオーバーを奪うなどで試合の主導権を握りました。さらにタゴバイロアのNFL初TDパスもきまりパントリターンTDも見せるなど、ドルフィンズはオフェンス、ディフェンス、スペシャルチームのすべてで得点をあげ、28−17でラムズに勝利しました。
試合開始直後にタゴバイロアがQBサックを受けてファンブルし、それをきっかけに7点をリードされたときにはこの試合どうなるのかと思ったんですが、それを覆したのがディフェンス陣でした。ラムズのQBジャレッド・ゴフにプレッシャーをかけて思うようにプレーをさせずターンオーバーを誘発させました。
記録的にはQBサックが2つとインターセプトが2つだったんですがあと2つインターセプトできそうな場面もありました。そして4つのターンオーバーのうち3つでTDを奪ったのが勝因だったと思います。特に試合の流れの中でポイントになったのは第2Qにドルフィンズが自陣7ヤード地点でファンブルしてボールを失いピンチに陥ったとき、DEエマニュエル・オグバーがゴフをQBサックしてファンブルさせてそのボールを拾い上げたLBアンドリュー・バン-ギンケルがリターンTDを決めて7点リードを奪ったところです。
あの場面でラムズに得点を許していたらこの試合はラムズペースになっていったと思いますので、オグバーのプレーとバン-ギンケルのTDは非常に大きな意味を持ったと思います。さらにその直後のラムズの攻撃も退けてパントに追い込み、ジャキーム・グラントがパントリターンTDを決めてさらに7点を追加したのもラムズに大きなダメージを与えたと思います。
試合全体を通してみれば1stダウン数が31対8、総獲得ヤード数が471対145、プレー数92対48とオフェンスでは圧倒的にラムズが優勢だったんですが印象としてはドルフィンズがラムズを圧倒したと見えました。これはやはりドルフィンズのディフェンスの凄さだったと思います。
それにしてもラムズのオフェンスのプレー数が92というのは異常で、ドルフィンズのディフェンス陣はほとんど2試合分戦ったような状態だったでしょう。試合後半にはさすがに疲れたのか動きが鈍くなっていましたが、まあこれは仕方がないでしょうね。
この試合を見ても明らかなように、NFLでは数字というものはまったくと言っていいほど当てになりません。ただ、ドルフィンズのディフェンスはこれまで平均失点18.6でNFL1位、QBサック数19は同9位タイ、ターンオーバー数13は同4位と明らかに昨シーズンより向上しています。この試合のようなディフェンスを見ると、ディフェンスに限っては立派なプレーオフ進出チームと言っていいと思います。
そしてもう一つの注目点であったタゴバイロアですが、試合が終わってみればパス22回投中12回成功で92ヤード獲得、1TDパスを記録してQBレイティングは80.3でした。新型コロナウイルスの影響でプレシーズンゲームがなく、当初は先発QBではなかったのでいくらバイウイーク明けとはいえ練習量は多くはなかったでしょう。さらにNFL初先発ということで、内容的にはいまひとつでしょうが新人ですしこれからでしょう。気になったのはランプレーでのサポートができなかったこととレシーバーが落球したパスが3つあったということで、その点では不運でした。
しかしとにかく先発した試合に勝利したということは今後に向けては大きかったと思います。ある意味ディフェンス戦のような試合展開だったので、普通のオフェンスもやりにくい状況でもありました。今後試合を重ねていくことでタゴバイロアの実力やいい面が出てくると思いますので、もう少し時間がかかるでしょうね。
ドルフィンズはこれで3連勝、4勝3敗と1つ勝ち越しました。残り9試合をどう戦うかですが、タゴバイロアもどこまでできるのかも注目されます。ただ、この試合を見る限り大きな崩れはないと思いますので期待しています。あといちばん心配なのは大きな怪我人が出ることですので、これはないように願いたいですね。
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