共に7勝7敗、プレーオフ戦線に生き残りをかけて絶対に負けられないチーム同士の対戦、マイアミドルフィンズとニューオーリンズセインツの対戦はセインツの地元で行われたマンデーナイトゲームでした。両チームとも優れたディフェンスを持っておりロースコアの試合展開で進みましたが、最終的には攻守でドルフィンズがセインツを上回り20−3で完勝しました。
セインツはコロナウイルス感染症の影響で先発QBが4番手の新人イアン・ブックだったということもあり戦前からドルフィンズの優位が報じられていたんですが、そのとおりの結果となりました。今のドルフィンズのディフェンスを相手に経験のほとんどない第4QBではまったくと言っていいほど問題になりませんでした。
ブックはパス20回投中12回成功で135ヤードを獲得しましたが、そのうちの1つはほぼ奇跡的に通った56ヤードパスですから、それを除けば79ヤードに抑えられています。さらにインターセプトは2つ犯し、QBサックも計8回浴びて54ヤードを喪失していますので、セインツのパス獲得ヤード数はわずか81ヤードに止まっています。
それにしてもドルフィンズのディフェンスはこの試合でも凄まじかったです。セインツの総獲得ヤード数は164ヤード、3rdダウンコンバージョンも12回すべてで1stダウン更新を許していません。DEエマニュエル・オグバーの2QBサックを含む計8QBサックをブックに浴びせていますが、先週の試合と合わせると2試合で計14QBサックを記録しています。それに加えて最後までQBに対してプレッシャーをかけ続けるなどディフェンスを緩めませんでした。
またオフェンスの方ですが、NFLトップクラスで先週の試合ではスーパーボウル王者でQBトム・ブレイディ率いるタンパベイバッカニアーズを完封したセインツのディフェンスに対してどうかと注目していたんですが、苦しめられながらもTDを奪うなど少ないチャンスを生かして勝利を引き寄せました。
QBトゥア・タゴバイロアはパス26回投中19回成功で198ヤード獲得、1TDパスと1インターセプトという内容だったんですが、チームを勝利に導くには十分だったと思います。第3Qにインターセプトを犯したんですが致命傷にはならず、その後の攻撃ではこの試合での大きな鍵となるWRマック・ホリンズへの40ヤードパスを決めています。このパスはホリンズのパスキャッチも素晴らしかったんですが、このプレーをきっかけに試合の流れを引き寄せ、最後はWRジェイレン・ワドルへのTDパスに結びつけたプレーは勝利の決め手になりました。
それにしてもワドルはこの試合でも10回のパスレシーブを記録してNFLの新人記録を塗り替えそうな勢いですし、新人としてシーズン941ヤードのパスレシーブはチーム新記録、さらにマンデーナイトゲームで10回のパスレシーブを記録したのは新人ではジェリー・ライスと並ぶ素晴らしい記録となりました。最近の試合で見せるTD後のペンギンダンスのパフォーマンスも面白いですね。あと2試合でどこまで記録を伸ばすのか非常に楽しみです。
あとオフェンスではセインツのディフェンスの前にランが計86ヤードに抑えられたんですが、デューク・ジョンソン、フィリップ・リンゼイ、マイルズ・ガスキンというタイプの違う3人のRBが初めて同時にプレーしました。今後の試合でこの3人のRBを状況に応じて使いこなすことが出来れば、ドルフィンズにとっては大きな武器になりそうです。
試合展開から見れば序盤でCBニック・ニーダムがインターセプトリターンTDで試合の流れを引き寄せて前半をリードして終え、後半第3QにロングパスやフリーフリッカーなどリズムのあるオフェンスでTDを奪ってリードを広げたということで、セインツ側にモメンタムを渡さなかったところが勝因でしょうか。ただ、やはりセインツにとっては第4QBでは荷が重すぎたということでしょうね。ブックにとっては家族が応援に来ていたようなんですが悲惨なデビュー戦となりましたが、デビュー戦としては状況も相手も悪かったということでしょうね。
これでドルフィンズは開幕戦に勝利した後7連敗して7連勝となりましたが、同一シーズンに7連敗後に7連勝したのはNFLで初めてのことだということです。さらにチームとしても7連勝したのは1985年シーズン以来ということで素晴らしい快挙です。この7連勝中は負け越しチームがほとんどだったということで過小評価されているところもあるでしょうが、いかに成績の悪いチームが相手でもNFLで勝ち続けるということは決して簡単なことではありません。その意味では本当に称賛されるべき記録だと思います。
あと残り2試合はテネシータイタンズとニューイングランドペイトリオッツで難敵ですが、ここまで来たらぜひとも連勝してプレーオフに進出しNFLに新しい歴史を刻んでもらいたいと思います。期待しています。
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