4連勝中のドルフィンズがホームにニューヨークジャイアンツを迎えて行われた一戦ですが、この試合は今シーズンからレギュラーシーズンが16試合から17試合に拡張された影響で追加されたカードでした。序盤から両チームのディフェンスが相手の失点を抑えるロースコアの試合展開となりました。しかし前半終了間際にリードを奪ったドルフィンズが後半も得点を加える一方でジャイアンツの反撃を抑え、20−9で勝利しました。
ジャイアンツの先発QBが控えのマイク・グレノンだったこともあってこの試合は楽勝かと思ったんですが、さすがに前半はベテランらしいプレーを展開していました。しかしドルフィンズはジャイアンツのランに警戒していたんでしょうか、特に前半はランプレーをしっかりと止めていました。そのランプレーをしっかり止めたことがジャイアンツのオフェンスにリズムを掴ませなかったということになりました。
一方のドルフィンズのオフェンスもジャイアンツのディフェンスに苦しめられてこのところ好調だったランプレーが抑えられました。さらに先週ドルフィンズデビューを果たしたRBフィリップ・リンゼイが欠場したことも影響して全体でのランプレーが25キャリーで68ヤードに抑えられています。その結果ランとパスのバランスが崩れて苦しかったと思います。
しかしパスオフェンスではWRデバンテ・パーカーが復帰したこともあり大事なところでのパーカーの活躍が光りました。パーカーは投じられた5つのパスすべてをキャッチして計62ヤードを獲得しています。さらにTEマイク・ガセキもパス落球があったものの終盤の勝負どころでは1stダウン更新のパスキャッチを決めるなど7回のパスレシーブで46ヤードを獲得しました。
そしてパスレシーブで光ったのはドラフト1巡目指名のWRジェイレン・ワドルでした。9回のパスレシーブで90ヤードを獲得して勝利に大きく貢献しています。さらにこの試合では86回目のパスレシーブを記録して新人のパスレシーブ数のチーム記録を更新しましたが、残りまだ5試合ありますので、100回以上のパスレシーブを記録することはほぼ間違いないと思います。ただ気をつけるのは怪我で、この試合でも途中で怪我をして退場しています。終盤復帰してきましたがちょっと心配です。
QBトゥア・タゴバイロアはパス41回投中30回成功で244ヤードを獲得して2TDパスを記録しています。ジャイアンツディフェンスのプレッシャーの中、そしてレシーバー陣のパス落球、そしてランプレーがあまり出ない中で苦しい状況でしたが、それでも大きなミスはなくチームを勝利に導きました。
ところでこのタゴバイロアのプレー内容についてジャイアンツのSローガン・ライアンが、2ヤードのパスを投げるなら自分でも投げられるという発言をしていたようです。確かにこの試合のタゴバイロアはこれまでにも増して短いパスが多かったと思いますが、それを皮肉って侮辱的な発言をしたライアンの言動はどうかと思います。まあ、負け犬の遠吠えか負け惜しみの類でしょうか、非常に見苦しく、それだけの選手だったということでしょう。この試合でのタゴバイロアのパフォーマンスは称賛されることはあっても侮辱されるべきではないと思います。
そしてドルフィンズのディフェンスに関してですが、この試合でも非常に素晴らしかったと思います。試合序盤は肝心なところで引いて守ってパスを通されたシーズン前半のような状況もありましたが、後半はジャイアンツに付け入るすきを与えずわずかFG1本に抑えています。
特に素晴らしく印象に残っているのは新人パスラッシャーのジェイレン・フィリップスです。第3Q終盤の連続QBサックは、その時点で10−6と4点しかリードがない状況でのジャイアンツのオフェンスの時でしたので、まさに勝負を決定づけるものだったと思います。あの2つのQBサックがドルフィンズに勢いをもたらし、その直後の攻撃でのタゴバイロアからWRアイザイア・フォードへのTDパスに結びついていたと思います。
これでフィリップスは今シーズン通算8.5QBサックを記録し、QBサック数に関してドルフィンズの新人記録を更新しています。特に直近の3試合で6QBサックを記録していますので、残り試合でこの記録をどこまで伸ばせるのか非常に楽しみです。このフィリップスとSジェボン・ホランドの両新人は今後数年ドルフィンズのディフェンスを支えていってくれる選手となるでしょう。期待しています。
前述のワドル、そしてフィリップスとホランドと今年の新人選手の活躍は目覚ましく素晴らしいです。これにもうひとりLTライアム・アイケンバーグも加わってくれれば嬉しいんですが、ポジション的に今シーズンは厳しいでしょうかね。
あと心配なのはKジェイソン・サンダースですね。この試合でもFGを1本外しています。(反則で取り消されていますが、実質的にもう1本外しました)先週はエクストラポイントのキックも外していますし、今後も不安で、本人ももしかしたら自信をなくしかけているのではないでしょうか。そうでないことを望みたいですけど、昨シーズンまでがよすぎたんでしょうかね。
しかしこれでドルフィンズは5連勝、しかも7連敗の後の5連勝で今シーズン通算では6勝7敗となりました。来週はバイウイークで試合がありませんが、再来週はホームでニューヨークジェッツと対戦します。両チームの状況を考えるとドルフィンズが勝利して勝率5割を達成するのはほぼ間違いないと思います。
一気にプレーオフへの可能性を引き上げてきたんですが、プレーオフは別としても残りの試合でどこまで勝ち星を重ねられるのか、非常に楽しみになってきています。来週試合がないのがある意味残念なんですが、怪我からの回復のためには大きな2週間になります。十分に休養や準備をして勝率5割復帰に備えてもらいたいですね。
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