ドルフィンズは今シーズン2度目のニューヨークジェッツとの対戦でした。先発QBは怪我をしたトゥア・タゴバイロアに代わってライアン・フィッツパトリックがプレーしましたが、ジェッツのディフェンスを相手にして苦戦したものの、自軍のディフェンスとジェッツの不振にも助けられて20−3の勝利にチームを導きました。
それにしても2試合でジェッツにわずか3点しか許さなかったというのは素晴らしいです。これは2009年シーズンにボルチモアレイブンズがクリーブランドブラウンズに対して記録して以来ということになるそうですが、同一チームに2試合でわずか3点しか与えないというのは、ほぼ2試合連続完封ぐらいのレベルですね。
オフェンスに関してですが、ドルフィンズはRB2人が欠場してただでさえ苦しいランオフェンスがさらに苦しくなりました。そのせいもあって序盤からパスが多かったんですが、ジェッツのパスラッシュに苦しめられてなかなかオフェンスが進みませんでした。
ただ、フィッツパトリックはベテランらしいプレーとリーダーシップを発揮してチームを勝利に導いたと思います。もしタゴバイロアが怪我がなく先発していたら、あまり考えたくはないですが、もしかするとジェッツに今シーズン初勝利を献上していた可能性は決して低くはなかったのではないかと思いました。
フィッツパトリックとタゴバイロアの差はやはり経験値でしょうか。例えばフィッツパトリックは相手の反則を誘うパスを投げられるんですが、タゴバイロアはそれができません。まあ、まだ新人なのでそこまでの技術というか余裕がないというのはわかりますが。それとフィッツパトリックはジェッツのパスラッシュを見越して速いタイミングでパスを投げていました。そこもタゴバイロアとは違うところでしたね。
しかし、この試合は例によってディフェンスの力で勝利したと思います。ジェッツのRBフランク・ゴアにはよく走られたんですが、それでも要所ではターンオーバーを奪ったり4thダウンギャンブルを止めたりしてそれが勝因でした。
特に第3Qに2シリーズ連続でランプレーでファンブルロストしたんですが、そのいずれもディフェンスがジェッツのオフェンスに1stダウンすら更新させませんでしたが、とりわけ2度目のファンブルロストの後に自陣17ヤード地点でのジェッツの4thダウンギャンブルのゴアのランを止めたのは圧巻でした。
そしてこの試合でも2つのインターセプトを奪ったんですが、その1つがCBザビアン・ハワードでした。ハワードに関しては今シーズン絶好調で、7つ目のインターセプトを記録してNFLトップの成績です。昨年は怪我をしたりDV問題で逮捕されたりして散々だったんですが、今年は違いますね。ハワードは2018年にも7インターセプトを記録しているんですが、ドルフィンズのチーム史上で1シーズンに7つ以上のインターセプトを2回記録したのはハワードとサム・マディソンだけだということです。
その他、ディフェンス全体ではジェッツの攻撃をトータル260ヤードに抑え、1stダウン更新もわずか10回に止めていますが、これは今シーズンのNFLの試合で2番目に少ない記録だということです。ディフェンスが好調だった要因は確かにジェッツのオフェンスの不振もあったでしょうが、新型コロナウイルスの影響で2試合欠場していたDTクリスチャン・ウィルキンスが復帰してきたことも大きかったと思います。
それと派手ではないんですが忘れてはならないことはKジェイソン・サンダースの功績です。この試合では54ヤードと51ヤードという50ヤード以上のFGを確実に決めています。かたやジェッツのキッカーが38ヤードFGを失敗していたのとは対照的で、このサンダースの存在も素晴らしく、すでにプロボウラーといってもいいのではないでしょうか。
これでドルフィンズは7勝4敗となりプレーオフ進出争いに踏み止まりました。来週は怪我が癒えればタゴバイロアが先発するでしょうが、残り5試合で3勝すればプレーオフ進出は間違いないでしょう。タゴバイロアで3勝してプレーオフに進出すればチームにとっても、またタゴバイロアにとっても大きな自信になり来シーズンにつながるはずです。
来週の対シンシナティベンガルズ、ホームでの対ニューイングランドペイトリオッツ、そしてプライムタイムゲームに決まった対ラスベガスレイダースあたりが勝利のチャンスでしょうか。ただ、個人的には最終戦の対バッファロービルズに勝利してほしいですけどね。
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