ドルフィンズとロサンゼルスチャージャースの試合は共にドラフト1巡目指名のQB、ドルフィンズのトゥア・タゴバイロアとチャージャースのジャスティン・ハーバートの対決が注目されました。試合序盤でいきなりターンオーバーを奪って得点したドルフィンズが終始リードを保つ展開で、結局29−22でドルフィンズが勝利しました。新人QBの対決はタゴバイロアに軍配が上がったことになりました。
両者の成績ですが、タゴバイロアはパス25回投中15回成功で169ヤードを獲得して2TDでインターセプトはなし、一方のハーバートはパス32回投中20回成功で187ヤードを獲得して2TDで1インターセプトと両者とも平凡な内容だったと思います。ですからタゴバイロアがハーバートに投げ勝ったという印象はなく、勝敗を分けたのはQBではなくてディフェンス、スペシャルチームを含めた総合力だったのではないでしょうか。
しかしハーバートは現在ルーキー・オブ・ザ・イヤーの筆頭候補だと言われていますが、それを裏付けるプレー内容だったという印象はありました。にもかかわらずチャージャースのチームとしての成績が2勝7敗と大きく負け越しているのはよくわからないところがあります。
ドルフィンズの方ですが、新型コロナウイルスの影響でこの試合もアシスタントコーチを4人欠いていました。それに加えてディフェンシブラインの要ともいえるDTクリスチャン・ウィルキンスもプレーできませんでした。その点で不安材料はあったんですが、それでもほとんど危なげのない勝利でした。ただ、試合の随所でウィルキンスや怪我のためにプレーできなくなったWRプレストン・ウイリアムスの不在が地味に影響していたのではないかと思います。
試合展開から見ると、14−0とリードしたドルフィンズがさらに追加点を狙ってチャージャース陣内9ヤード地点まで攻め込んだ第2Qでファンブルしてターンオーバーし、その結果チャージャースにTDを奪われて7点を返されたところで試合の流れが変わりました。あのままずるずるといっていたらもしかしたらこの試合は敗れていたかもしれませんが、その悪い流れを止めたのが前半終了間際のKジェイソン・サンダースが決めたFGだったと思います。
あのFGは50ヤードという決して簡単ではない距離だったので、もしそれを外していたらさらにチャージャース側に試合の流れが傾いていたと思います。それだけにあのFGはドルフィンズにとっては貴重な3点だったと思います。
ちなみにサンダースは第4Qに47ヤードのFGを失敗しています。いつかは連続FG成功が途切れるのではないかと思っていましたが、あまり試合の大勢に影響が少ないところでしたので、これは変な意味でいい息抜きになったのではないかと思います。その直後には49ヤードを決めていますので、連続FGが途切れた影響もあまりなくて安心しています。
オフェンスの方で目立ったのはドラフト外新人RBのサボン・アクメドでした。この試合はマット・ブレイダがプレーできず、ジョーダン・ハワードもインアクティブで試合から外されていたんですが、ランオフェンスではアクメドが孤軍奮闘という感じで、21キャリーで85ヤードを獲得してNFL初TDランも記録しました。できれば100ヤード走ってもらいたかったんですが、それは次の試合に期待したいですね。とにかくランオフェンスに光明が見えてきたようでした。
またディフェンスの方ですが、ギリギリでLBカイル・バンノイがプレーできるようになったのでその点では大きかったんでしょうが、そのバンノイも怪我をして試合の途中でしばらく欠場していました。それでもディフェンスが崩れなかったのはやはり強さだと思います。チーム全体で補っていくというスタイルが定着しており、それが強さの要因なんでしょうね。
これでドルフィンズは5連勝、同地区ではバッファロービルズが敗れたために6勝3敗で勝率では首位に並んでいます。この先どこまで連勝を続けることができるのか、そして最終的に何勝まで積み重ねることができるのか非常に楽しみなんですが、こんな勝利を期待できるワクワクした気持ちになれるシーズンはいつ以来でしょうか、本当に今後の試合も楽しみになってきます。
話は戻ってタゴバイロアについてですが、この試合は平凡な記録に終わり、内容的にもミススロー的なものもありましたが、これから試合を重ねるたびにさらに良くなってくると思いますので、それにも期待しています。いつか300ヤード以上投げて勝つ試合が見てみたいですね。
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