突然の報道に驚きましたが、ドルフィンズのHCブライアン・フローレスが解任されました。ドルフィンズの2021年シーズンが終わったばかりで、てっきり来シーズンもフローレスが指揮を執るものだと思っていましたが、この状況になった背景には表面には表れてこないいろいろなことがあったようですね。
いろいろなウェブサイトなどを見る限り、結論から言えばフローレスとGMクリス・グリアーの関係が上手くいっていなかったようです。1つの例をあげると、昨年ヒューストンテキサンズのQBデショーン・ワトソンがドルフィンズ入りを希望しているという報道がありましたが、それに関連してトレードの噂も出ていました。結局ワトソンのドルフィンズへのトレードはなかったわけですが、ワトソンを欲しがっていたのはフローレスで、そこでグリアーの意向と意見が合わなかったようです。そしてワトソン自身もフローレスがいるからドルフィンズに行きたかったということです。
元々フローレスは2年前にドルフィンズがドラフトでQBトゥア・タゴバイロアを指名した時にも、タゴバイロアではなくてロサンゼルスチャージャースが指名したジャスティン・ハーバートを推していたという報道もされていました。
そういう背景があるとすれば、2020年シーズンにタゴバイロアが先発した試合で試合途中で怪我もしていないのにベンチに下げたことがありましたし、加えてあるウェブサイトでは昨年ワトソンとのトレードの噂が活発だった時期にその件について記者がフローレスに対していろいろと質問した時に曖昧な受け答えだったことで、タゴバイロアとの信頼関係に疑問が感じられたと書かれてありましたが、それも納得できます。
さらに1年毎にオフェンシブコーディネーターが代わったことやアシスタントコーチの起用の状況、FAやトレードが上手くいかなかったこともグリアーとの意見の相違が問題だったのでしょうね。昨年なぜLBカイル・バンノイやOGエレック・フラワーズ、Cテッド・カラスが放出されたのかと疑問だったんですが、それも関係があるのではないかと思ってしまいます。
これは私の憶測なのですが、フローレスはニューイングランドペイトリオッツのビル・ベリチックのようなGM兼ヘッドコーチになりたかったのではないでしょうか。ところがそれが許されなかったためにグリアーと上手くいかず、またアシスタントコーチも上手くコントロールできなかったところもあったのかもしれません。ただ、選手には非常に慕われていたようですね。
まあ、いずれにしてもこれで新しいヘッドコーチを探さなければいけないわけで、早くも有力候補として複数の名前があがっています。しかし、この解任劇は理由がどうであれ非常に印象が悪く、果たしてそんなドルフィンズのヘッドコーチを務めてくれる人があるのか不安です。
この解任を予期していたかのように、数日前からミシガン大学のHCジム・ハーボウの話題が報道されていました。ハーボウがNFLのヘッドコーチに復帰するのではないか、ラスベガスレイダースがハーボウに興味を持っているというような記事を見ましたが、ただこれをきっかけにハーボウがドルフィンズのヘッドコーチに就任するのかといえば、それはオーナーであるスティーブン・ロスがはっきりと否定しています。
新しいヘッドコーチ選びは難航しそうなんですが、早くもバッファロービルズのオフェンシブコーディネーターであるブライアン・ダボールに面談が打診されているようです。ダボールはかつてドルフィンズでオフェンシブコーディネーターを務めた経験があり、かつアラバマ大学ではタゴバイロアを指導したこともあるようです。
とはいえ、2019年に完全に解体されたチームを翌年にはプレーオフまであと一歩まで導いたフローレスの功績は素晴らしく、その損失はとても大きいと思います。特にディフェンスはNFLでトップクラスでしたので、このディフェンスが今後も継続できないとなると非常に残念ですが、そこは新しいディフェンシブコーディネーターに期待するしかないですね。
この3年間、フローレスには本当に楽しませてもらいましたが、そのことには感謝しています。ただ、こうなったら他のチームが放っておくわけはないので、どこかのチームのヘッドコーチかディフェンシブコーディネーターに就任するのは間違いないでしょう。今後の活躍を祈念したいと思いますが、ドルフィンズ相手には闘志を燃やしてくるでしょう、そうなるととても怖いですね。
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