ドルフィンズでヘッドコーチを務めていたドン・シューラ氏が死去したことが多数のメディアで報じられています。 シューラ氏はドルフィンズのヘッドコーチとして、そしてNFLのヘッドコーチとしても唯一シーズン無敗のパーフェクトシーズンを達成していることで有名です。 しかしシューラ氏は元々はボルチモアコルツのヘッドコーチとなったのが最初でした。1963年から69年まで7年間コルツのヘッドコーチを務めていたんですが、その間すべてシーズン勝ち越し、しかも3度チームをプレーオフに導いています。 そして1970年にドルフィンズのヘッドコーチに就任してからは、就任1年目にして、それまで低迷していたドルフィンズをプレーオフに導きました。さらに翌1971年にはスーパーボウルに進出、そして1972、73年には2年連続でスーパーボウルを制覇しています。有名なパーフェクトシーズンは1972年でした。 その後1995年までドルフィンズでヘッドコーチを務めました、スーパーボウルに進出したのは1984年シーズンだけで、残念ながらスーパーボウル制覇は逃しています。しかしヘッドコーチとしてレギュラーシーズン通算328勝、プレーオフも含めれば347勝という勝利数は未だにNFLの最多記録となっています。 今世紀に入って強さを誇っているニューイングランドペイトリオッツのヘッドコーチであるビル・ベリチックでもこれまでレギュラーシーズンで273勝、プレーオフを含めても304勝に止まっており、QBトム・ブレイディが去ったペイトリオッツで、すでに68歳となっているベリチックがシューラの記録に到達するのは難しいことが考えられます。 そう考えるとシューラの記録がいかに優れているか、そして偉大なヘッドコーチと称賛される理由がわかります。 ちなみにシューラはヘッドコーチとして有名なんですが、プレーヤーとしては1951年から57年までクリーブランドブラウンズ、コルツ、ワシントンレッドスキンズでプレーしており、ポジションはディフェンスバック、通算成績は73試合に出場して21インターセプトという記録が残っています。 かつてシューラの下でプレーしていたQBダン・マリーノは、『いつも私を信じてくれてありがとう。あなたは私をより良い選手、より良い人にしてくれた』と言っていますが、それこそがシューラの人柄であり名将である証明なんでしょうね。 ご冥福を心からお祈りします。
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ご冥福をお祈りします。NFLに偉大なヘッドコーチ数ある中でも、近代フットボールの基礎を築いたといわれるシュラは別格と、解説の中でたびたびこれも今は亡き月刊TDの編集長後藤完夫さんがおっしゃっていましたっけ。シュラの家はハンガリー系の移民で、チェコ系の同じくマイノリティで、一旦は金銭的な理由からWFLに去り、一年でNFLのNGに復帰しましたが全く精彩を欠き「陸に上がったカバ」などと揶揄されて使い物にならなくなったゾンカを彼は再びドルフィンズに迎えましたね。厳しいことでは有名でファウルの数はドルフィンズがいつも一番少なかった。スティーラーズのチャック・ノルもラムズのチャック・ノックスもシュラのもとでコーチングを学んだこと、あのジョー・グリーンも引退後しばらくシュラノもとでドルフィンズのDLコーチをしていたことがありましたよね。ドルフィンズだけでなくチームを超えて偉大な存在だったと思います。厳しい人だったといわれていますが他チームのどんな荒くれ者でもシュラの言うことは皆よく聞いたそうです。小生は中学生のころ下敷きにシュラの顔写真の雑誌の切り抜きを入れていました。ちょっと変わり者でした。1974年のころです。その切り抜きは今もあります。パーフェクトシーズン当初は日本の放送でドルフィンズを巨人軍のようなチームと紹介する向きもありましたが、どちらかというとシュラは無名選手を連れて来てはその中から何人ものプロボウラーを育て上げたと思います。選手の本質を見抜く眼力のようなものがあったのではないでしょうか。そういう一面を考えると南海の野村監督を重ねてしまいます。御高齢だったので新型肺炎の影響もあったのでしょうか。ドルフィンズファンの自分にとってたいへん大きな存在でした。無名選手の集団から力を引き出してチャンピオンロードに君臨するチームに育て上げるというシュラのドルフィンズが好きでした。今日までドルフィンズのファンだったのもシュラやグリーシーやノーネームディフェンスの面影を追い続けていたせいなのかもしれません。今のドルフィンズがあの頃のチームとは質的に違うものになってしまったようで寂しいのですが、新しいフローレスのドルフィンズがスーパーボウルで再び勝利するところをシュラに見せたかったです。『いつも私を信じてくれてありがとう。あなたは私をより良い選手、より良い人にしてくれた』ダン・マリーノの言葉がすべてを物語っていると思います。タゴバイロアという人がどのような人か知りませんがダン・マリーノがシュラに送ったこの言葉の意味が分かる男であってほしいです。一つの歴史が終わりました。シュラは私を生涯ドルフィンズのファンにしてくれました。ありがとうと言いたいです。