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Week 17 MIA at NE




2019年シーズンの最終戦、ドルフィンズは敵地でAFC東地区優勝を決めているニューイングランドペイトリオッツと対戦しました。ペイトリオッツにとっては勝てばプレーオフ第2シードとなり1回戦が免除される状況でしたが、ドルフィンズが試合終了間際にQBライアン・フィッツパトリックからTEマイク・ガセキへのTDパスで27-24の逆転勝利を飾りました。


勝ったドルフィンズは5勝11敗でシーズンを終了、一方のペイトリオッツは来週末から始まるプレーオフの1回戦でテネシータイタンズを地元で迎え撃つことになりました。ペイトリオッツがプレーオフで1回戦を戦うのは実に10年ぶりのこととなっており、またドルフィンズがペイトリオッツのホームで勝利するのは2008年以来、さらにQBトム・ブレイディは地元でドルフィンズに初めて敗れることとなりました。


それにしても10年以上ペイトリオッツのホームゲームで勝てなかったということなんですが、それに勝利したことは非常に大きな価値があります。ペイトリオッツもプレーオフでの第2シードがかかっていただけに手を緩めたということはなかったでしょうし、この勝利はドルフィンズにとっては来シーズンにつながる大きな勝利でした。


今シーズンは最初の対戦で43−0と圧倒的な大敗を強いられたドルフィンズでしたが、この試合が始まる前には、その時のドルフィンズとはまったく違うチームになっていると言われていました。しかしそれでもまだペイトリオッツの牙城を崩すことはできないだろうと思っていましたが、予想に反して本当に素晴らしい勝利でした。


シーズン当初ドルフィンズは悲惨な成績で、トレードを志願する選手が複数いるという報道がされるなど史上最低レベルのチームと言われていました。しかし開幕7連敗の後は5勝4敗と結果的に勝ち越しています。主力選手が次々と怪我で欠場する中、特にディフェンスに関しては新人や経験のない選手ばかりでまったく無名の戦力でした。それがシーズン最終戦には前年のスーパーボウル王者に競り勝つまでになっています。


その原動力となったのはもちろん実際にプレーした選手でしょうが、それを育て上げ束ねていったHCブライアン・フローレスを始めとするコーチ陣の存在も忘れてはいけません。シーズン途中に今年のコーチオブ・ザ・イヤーはフローレスだと報道しているウェブサイトを見かけましたが、ここに至るとまさにそれが現実ではないかと思います。この試合はまさに今シーズンのドルフィンズのというか、フローレスにとっての集大成だったようにも思いました。


試合展開から見ると、10−10の同点に追いつかれた時にはこれまでかと思ったんですが、前半の2ミニッツでペイトリオッツが時間を流して積極的に攻撃にいかなかったところで助けられました。あの場面ではタイムアウトも残っていましたので、得点を取りにいこうと思えばできたはずですがペイトリオッツはそうしませんでした。おそらく後半開始は自軍の攻撃から始まることと、ブレイディのパスが安定していなかったということで無理に攻めにいかなかったのかなと思います。


それと後半開始直後のペイトリオッツの攻撃をスリー&アウトに抑えたのが大きかったし、それでペイトリオッツ側にいきかけていた流れを引き戻すことができたのではないでしょうか。その直後にTDを取ってリードを奪って主導権を握れたのが最後の逆転劇につながったような気がします。


この試合でも相変わらずランが出なかったんですが、フィッツパトリックはその状況でパスディフェンス1位のペイトリオッツを相手によくパスを通しました。フィッツパトリックにはFitz Magicというニックネームがついているんですが、本当にこの試合だけでなく、今シーズンはFitz Magicの連続だったような気がします。


最後はガセキがTDパスレシーブを決めましたが、WRデバンテ・パーカーにもTDパスレシーブを決めてほしかった、そうすればパーカーは2桁TDパスレシーブを記録することになりましたから。しかし今シーズン開始直後はパーカーやガセキがこんなにブレークするとは想像もつきませんでした。


それとその他にもレシーバーではアルバート・ウイルソンやアイザイア・フォードもいいプレーを見せてくれました。特にフォードについては、これまで解雇されたり練習生として契約したりの繰り返しだったんですが、こちらもブレークしたような結果を残したと思います。この試合でも貴重な活躍で勝利に貢献しました。


シーズン開始前には来年のドラフトで全体1巡目指名を得るためのシーズンで、勝つ必要はないとまで揶揄されていたドルフィンズでした。しかし終わってみれば全体1位はおろか2位、3位も得られず、結局全体5番目の1巡目指名権を得ることになっています。その結果最も有望な選手を獲得することはできないかもしれませんが、それ以上に未来に期待を抱かせるものを得られたのではないでしょうか。


昨年、一昨年と寂しい終わり方でシーズンを終了していたドルフィンズですが、今年は来シーズンに大きく期待が持てる、何か清々しい気持ちでシーズン終了を迎えることができました。それはもちろんペイトリオッツという王者を破ったということもあるんですが、仮に逆転できなくて負けていても同じような気持ちだったと思います。


今シーズンのドルフィンズは近年より以上にいろいろと楽しませてくれたと思っています。ファンとして選手やコーチ陣に対してお礼を言いたいと思います。しかし本当に楽しみなのはこれからではないかと思っています。

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