top of page
執筆者の写真dolphin-one

QBタネヒルをタイタンズにトレード

去就が注目されていたQBライアン・タネヒルですが、テネシータイタンズにトレードされることが発表されました。


ドルフィンズがタネヒルと今年のドラフト6巡目指名権をタイタンズに譲渡し、その代りにドルフィンズはタイタンズから来年のドラフト4巡目指名権と今年のドラフト7巡目指名権を受け取る形となっています。


タネヒルに関してはトレード相手が見つからずに解雇されるのではないかと思っていましたが、トレードをすることができただけでなく、ドラフト指名権を2つ獲得したというのは非常に大きいと思います。これについてはGMのクリス・グリアーの手腕は大きく評価されていいと思います。


タイタンズも先発QBとしてマーカス・マリオタがいるんですがそこまでしてタネヒルを獲得したというのは、マリオタが怪我が多いということである程度計算できる控えQBが欲しかったというのもあるのではないかと思います。


タネヒルは2012年にドラフト1巡目指名(全体8番目)でドルフィンズに入団以来、7年間に渡ってチームに貢献してくれました。プレーした88試合すべてに先発出場し、パス2911回投中1829回成功(成功率62.8%)で20434ヤードを獲得して123TDパスを記録しています。


通算のQBレイティングは87.0で、これは2008〜10年まで在籍したチャド・ペニントンの94.5に次ぐチーム史上2番目の数字です。あのダン・マリーノが86.4ですから、プレーした時代背景が違うとしても、それを凌ぐ数字を残したというのはある程度は評価されていいと思います。


ただ、タネヒルは結局ドルフィンズのフランチャイズQBとはなり得ませんでした。これはタネヒル自身のQBとしての能力が足りなかったということが大きな要因でしょうが、それとは別にチームがタネヒルをうまく育成できなかったという側面もあったと思います。特にタネヒルは大学時代にWRからQBに転向しており、QBとしての経験が不足していると言われていましたから。


タネヒルは新人の年にWRブライアン・ハートラインといいコンビネーションを構築し、その結果ハートラインは1000ヤードレシーバーとなりました。ところがチームは翌年WRマイク・ウォレスを獲得してパスオフェンスの中心をウォレスにしようとしました。それでもハートラインは2013年も1000ヤード以上のパスレシーブを記録してタネヒルのNo.1パスターゲットとなっています。


チームとしてはウォレスをどうしてもエースWRにしたかったんでしょうか、ウォレスにパスを集められなかったオフェンスを変えるためにオフェンシブコーディネーターのマイク・シャーマンを解雇し、パス偏重型のオフェンスを構築するためにビル・レイザーを就任させました。


個人的に思うことは、この一連の動きがその後のタネヒルのQBとしての成長を狂わせたのではということです。せっかくハートラインとのコンビネーションがうまくいっていたのにそこのバランスを崩したことですべてが狂ってきたんだと思います。その挙げ句に、当時のヘッドコーチだったジョー・フィルビンはタネヒルに対して信頼をなくしてしまいました。


そしてフィルビンが解雇されアダム・ゲイスがやってきたわけですが、1年目はタネヒルもキャリア最高の成績を残し、その結果チームはプレーオフに進出することができました。しかしタネヒル自身はシーズン終盤にひざを怪我して、それが影響して翌年も欠場を余儀なくされました。そして最後の3年目にはゲイスはタネヒルにパスを投げさせなくなってしまいました。


ちなみにプレーオフに進出した2016年はタネヒルは先発QBとして8勝5敗の成績を残しています。ただ、プレーオフ進出に大きく貢献したのはRBジェイ・アジャイとQBマット・ムーアだと思っています。仮にタネヒルが怪我をしなかったとしたら、あるいはプレーオフには進出できていなかったのではないか、とも思っています。


入団当初は大きく期待されたタネヒルでしたが、ドルフィンズでの7年間でプレーオフでの勝利はなし、プロボウルにも選出されていません。なんとかタネヒルをフランチャイズQBにというチームの方針があったんでしょうが、だからといって競争相手となりうる新人QBをほとんど獲得してこなかったのは大きな誤りですし、短期間でオフェンスシステムが変わってしまったこともタネヒルにとっては不幸だったと思います。


タネヒルについては個人的には期待していました。毎年、今年こそはやってくれるのではないかと思い続けてきました。しかし昨シーズンの特に終盤は本当に落胆させられました。それでもこの7年間、ドルフィンズのQBとして楽しませてくれたことには感謝したい気持ちがあります。今後どんなキャリアを過ごすことになるのかわかりませんが、活躍を祈念したいと思います。


というわけで、タネヒルがいなくなった今、ドルフィンズにはジェイク・ルドックとルーク・フォークという経験のない若手QB2人しかいなくなりました。ベテランQBの獲得が必須だと思いますが、ライアン・フィッツパトリック、ブレイク・ボートレス、ブロック・オズワイラーあたりが候補でしょうか、またコリン・キャパニックが興味を持っているという噂もありますが、果たしてどうなるんでしょうか。

閲覧数:767回0件のコメント

最新記事

すべて表示

新しいコーチ陣が決定

ドルフィンズは2022年シーズンに向けて新しいコーチングスタッフを公式に発表しました。 この中で注目の人事ですが、まずQBコーチ兼パッシングゲームコーディネーターにダレル・ベベルを登用しました。ベベルは2021年シーズンはジャクソンビルジャガーズでオフェンシブコーディネータ...

新ヘッドコーチにマクダニエルが決定

ドルフィンズの新しいヘッドコーチに元サンフランシスコ49ersのオフェンシブコーディネーターだったマイク・マクダニエルが決定しました。 マクダニエルは1983年3月6日生まれの38歳です。イェール大学出身ですが選手としての経験はなく、コーチとしては2005年にデンバーブロン...

数字で見る2021年シーズン

ドルフィンズの2021年シーズンを数字で振り返っています。 約20年ぶりの2年連続シーズン勝ち越しもさることながら、NFLで史上初の7連敗の後の7連勝という歴史を作りました。 それと何と言ってもチームMVPのWRジェイレン・ワドルの活躍ですね。104回のレシービングを記録し...

Comentarios


bottom of page